いい子のあくび
作品概要
芥川賞受賞第一作。
公私共にわたしは「いい子」。
人よりもすこし先に気づくタイプ。
わざとやってるんじゃなくて、いいことも、にこにこしちゃうのも、しちゃうから、しちゃうだけ。
でも、歩きスマホをしてぶつかってくる人をよけてあげ続けるのは、なぜいつもわたしだけ?
「割りに合わなさ」を訴える女性を描いた表題作(「いい子のあくび」)。
郷里の友人が結婚することになったので式に出て欲しいという。
祝福したい気持ちは本当だけど、わたしは結婚式が嫌いだ。
バージンロードを父親の腕に手を添えて歩き、その先に待つ新郎に引き渡される新婦の姿を見て「物」みたいだと思ったから。
「じんしんばいばい」と感じたから。
友人には欠席の真意を伝えられずにいて……結婚の形式、幸せとは何かを問う(「末永い幸せ」)ほか、
社会に適応しつつも、常に違和感を抱えて生きる人たちへ贈る全3話。
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1,760 円税込